1970年発表の、ジョージの初ソロ作にして名盤『All ThingsMust Pass』のレコーディングに先駆けて録音された、スタジオ・デモ(プリプロ)音源が、最新リマスターを施されてここにStrange Appleレーベルからリリース。ほぼ全編ジョージ単独のアコースティック・デモで、『All Things Must Pass』には収録されなかった曲や未発表曲も含んだ内容で、この音源を聴いたことのないファンはもちろん、コアなファンも納得のクオリティー・アイテム。
メインで収録されている音源は、元々1995年Yellow Dog系列Strawberryから『Beware Of Abkco !』としてリリースされたもので、そのクオリティーの高さは、2000年に『All Things Must Pass』がNew Century Editionとしてリマスターを施され再発された際に、この音源の一部が使用されたほど。そしてこのオフィシャルに音源が使用されたことで、クレジットとジョージのコメントから、プロデュースを務めたフィル・スペクターに手持ちの曲を聴かせるために70年5月27日にアビー・ロード・スタジオで演奏したということが判明。そしてその聴きどころは何よりもまず、プロダクションが作りこまれた『All Things Must Pass』の対極に位置するような、純粋で素朴な演奏。「Wah-Wah」「Hear Me Lord」「Nowhere To Go」以外は純粋なアコースティック・デモであり、オフィシャルには収録されなかった曲や未発表曲が半数を占める内容であることも要チェック。そして特に「Art Of Dying」などはこのデモ音源の素晴らしさが凝縮されていると言っても過言ではないと言えるヴァージョン。今回のリリースにおいては、メインの音源にリマスターを施し、さらにオフィシャルで聴ける2曲を追加収録。メインの音源ではセパレーションのステレオ音源ながら、オフィシャルではセンターよりの緩やかなセパレーションになっているほか、エッジの効いた全体的にブライトな質感のステレオ・ミックスに仕上げており、この機会に聴き比べてみるのも一興。さらにボーナスとして、68年11月末にウッドストックのディラン邸で録音された2人のデモ「Nowhere To Go」「I’d Have You Anytime」もプラス。既発アイテムをお持ちの方にもおすすめのファン必聴タイトル!
(Abbey Road Studios, 3 Abbey Road NW8 St John’s Wood, 27th May 1970)
1.Run Of The Mill
2.Art Of Dying
3.Everybody, Nobody
4.Wah-Wah
5.Window,Window
6.Beautiful Girl
7.Beware Of Darkness
8.Let It Down
9.Tell Me What Has Happened To You
10.Hear Me Load
11.Nowhere To Go
12.Cosmic Empire
13.Mother Divine
14. Don’t Want To Do It
15.If Not For You *RELEASED REMIXES*
16.Beware Of Darkness
17.Let It Down (with overdub. Circa2000) *Bonus Tracks* Woodstock, NY Late November 1968 (with Bob Dylan)
18.Nowhere To Go
19.I’d Have You Anytime